年齢制限のある成分を中心に勉強したい。
その前に、幼児や小児の年齢区分が覚えられない。
さらに「以上・以下・未満」のちがいが知りたい。
そんな疑問を、解決します。
この記事では、登録販売者試験に出てくる年齢区分のある成分を一覧としてまとめました。
なぜ年齢制限がかかっているのか、それには理由があります。
さらに、以上・以下・未満のちがい、幼児・小児などの年齢区分の覚え方も紹介しますね。
あなたのお手持ちのテキストと一緒に、勉強してください。
はじめに:登録販売者試験での年齢区分について
登録販売者試験では、第1章で年齢区分が試験範囲として出てきます。
特に乳児・幼児・小児については、ひっかけ問題が出題されたりするんですよね。
まずはここを解説します。
(完璧に覚えているなら、読み飛ばして大丈夫です)
乳児・幼児・小児について
登録販売者試験でよく出題されるのが、年齢区分です。
そして乳児・幼児・小児が、それぞれ何歳から何歳までなのかを覚える必要があります。
- 乳児……1歳未満
- 幼児……7歳未満
- 小児……15歳未満
それぞれ乳児(にゅうじ)、幼児(ようじ)、小児(しょうに)と、読みます。
過去問で「小児は15歳以下である。」と出題されたら、答えは×間違いになります。
以下・未満のちがい
意外とまちがえやすいのが「以下」と「未満」のちがいです。
「未満」だと、その数字が含まれません。
その数字に満たない、という意味です。
なので、20歳未満=0〜19歳です。
「以下」だと、その数字が含まれます。
20歳以下=0〜20歳です。
登録販売者の試験範囲の年齢区分の話に戻ります。
「未満」を取り除いて、年齢の範囲をわかりやすく見ると、下記のようになるんですね。
- 乳児……0歳
- 幼児……1~6歳
- 小児……7~14歳
- 大人……15歳〜
医薬品においての15歳以上は、大人として扱います。
例をあげると、イブやバファリンなどの解熱鎮痛薬は、15歳未満(つまり小児)は使用禁止です。
ここで注意すべきなのが、15歳未満は乳児・幼児も含むということです。
たとえば医薬品の使用上の注意で「小児に使用しないこと」と記載されていた場合、この「小児」とは「0~15歳未満」をあらわします。
【試験対策】年齢区分の覚え方
登録販売者試験での年齢区分は、イメージで覚えることができます。
※ もちろん数字を丸暗記でも、OKですよ
乳児(0歳)は、お乳を飲む時期です。
大体1歳ごろから離乳食が始まりますので、その時期までが乳児です。
幼児(1〜6歳)は、幼稚園児の時期です。
6歳まで在籍するので、7歳未満と同じ意味で考えることができます。
小児は、小学生と中学生です。
15歳未満は小児扱いですが、15歳になったら大人と同じ量の飲むことができます。
つまり学年上では、中学3年生から大人用の薬を飲むことができます。
補足:未満、以上・以下の覚え方
未満、以上・以下は、パッと見だと覚えにくそうですよね。
ややこしいイメージですが、誰もが1度は聞いたことがあるセリフで覚えることができます。
「お酒は、20歳以上になってから」 =20歳〜
「お酒は、20歳未満は飲めません」 =0〜19歳
解説すると、20歳未満は0〜19歳にあたるためお酒を飲めません。
そして、20歳になった日から飲めることを表しています。
「以上・以下が数字を含む」
「未満は数字を含まない」ので、もしわからなくなったら、お酒の有名なフレーズを思い出しましょう。
【登録販売者試験】年齢制限を覚える理由
成分によって年齢が違うので、覚えるのは大変だと思います。
それでも年齢制限をもうけている理由があります。
市販の薬や医療用医薬品には、年齢制限があります。
理由は、成分によってさまざまです。
- 病気を発症するリスクが高まる
- 死亡リスクが高まる
- 安全性が確率されていない など
例えばイブプロフェンという成分は、イブなどの痛み止め薬に配合されています。
親の飲んでいる薬を子供が服用していることがよくありますが、15歳未満は使用禁止です。
理由は、一般用医薬品では小児向けの製品はないためです。
つまり、大人が使用する前提なので、小児に使用することができません。
他にも、たくさんの成分に年齢制限がかかっています。
これらは第5章の「小児における年齢制限」の項目で、理由もしっかり加えられています。
※手引きだと359ページ目に記載しています
年齢制限は数字だけ覚えるのではなく、
どんな理由で年齢制限があるのか理解しておくことで、合格後の実務経験にも生かすことができます。
商品の年齢制限を見なくても、成分を見ただけで何歳以下が使用禁止なのかがわかるようになると素晴らしいです。
お客さんにきちんと薬を服用するときに、リスクの危険性を伝えることができます。
【試験対策】小児の使用禁止一覧
「小児に使用してはいけない」項目の成分、禁止理由、含まれる製品をまとめました。
- 15歳未満の小児禁止
- 12歳未満の小児禁止
- 11歳未満の小児禁止
- 6歳未満の小児禁止
- 3歳未満の小児禁止
- 6ヶ月未満の乳児禁止
それぞれの成分が、何歳で使用禁止なのかがわかります。
また、赤文字は頻出ワードなので、過去問や試験に出てきたりします。
15歳未満の小児禁止
・サザピリン
・ 含まれる製品 … バファリンAなど
・ 含まれる製品 … パイロンPL顆粒など
・ 含まれる製品 … ドリエルなど
・オキセサゼイン(局所麻酔成分)
・ 含まれる製品 … イブA錠など
・ 含まれる製品 … トメダインなど
・フェルビナク
・ピロキシカム
・ジクロフェナク
・ 含まれる製品 … フェイタス、ボルタレンなど
12歳未満の小児禁止
・ジヒドロコデイン
・ 含まれる製品 … エスエスブロン錠など
11歳未満の小児禁止
・ 含まれる製品 … バンテリン、サロンパスなど
6歳未満の小児禁止
・ 含まれる製品 … リシーナ軟膏など
3歳未満の小児禁止
・ 含まれる製品 … 日本薬局方ヒマシ油など
6ヶ月未満の乳児禁止
・ 含まれる製品 … サラテクトなど
以上、使用禁止一覧です。
あなたのお手持ちのテキストにメモしたり、仕事用ノートにメモしたり、活用してください。
小児の使用禁止一覧の注意点
ここで紹介した「小児の使用禁止一覧表」は、
あくまで登録販売者試験として出題される内容です。
実際の市販薬を見てみると、製品によって制限のかかっている年齢がちがっている場合があります。
その場合は、市販薬の外箱や添付文書に記載されている内容にそって接客してくださいね。
まとめ:実務でも、うまく活用してください
- 年齢区分は年齢層をイメージする
- 迷ったら、お酒のフレーズを思い出す
- 何歳まで禁止なのかを把握する
- 年齢制限には理由がある
- 理由と年齢を紐付けて覚える
年齢制限の成分一覧表は、誰が見てもわかりやすく、合格後も活用できるようにと、作成しました。
私が受験した年(2018年)に、テキストやネット記事に全然なかったんですよね。
テキストをパラパラ開いている時間がもったいなくて、この一覧表を作ってみたのがきっかけです。
第5章の禁止理由(してはいけないこと)は試験後の実務経験でも生かすことができます。
こちらもぜひ、試験勉強中・合格後の実務で活用してみてください。
お客さんと話をしていると、
大人用の薬(15歳未満禁止)を子供に使っているパターンが意外と多かったりします。
なんなら、私も小学生のときに、親からもらったイブA(15歳未満禁止薬)を使っていました。
※ 当時のことなのでカミングアウトしますが、本来はダメですよ
年齢制限を守って服用しないと、副作用で重篤な症状が出たときに保険が効きません。
もしあなたがお客さんに、正しい知識・服用のリスク・禁止理由を伝えられれば、重篤な副作用やリスクを避けることができます。
年齢制限の重要度を知るきっかけになれば、幸いです。