循環器系
血管系は閉じていて、リンパ系は開いています。
問題で逆になることもしばしば。
心臓
●右心房 → 右心室 → 肺 → 左心房 → 左心室 → 全身 → 右心室 ……の繰り返し。
参考書にイラストで書いてあると思いますが、いまいちわかりにくい方は下記のやり方をどうぞ。
自分の手で自分の身体を順番になぞると、比較的簡単に覚えられます。
自分自身から見て右心室は右下(右側手前)に確認できます。
右心房 → 右心室 → 肺 とつながっているので、実際の自身の心臓は、そのまま右側手前から右奥に繋がり、肺を1周します。
そして、左心房 → 左心室 → 全身 とめぐっているので、左上(左側手前)から左奥へ、そこから全身をめぐってまた右心房に戻ります。
この流れを手の動作で覚えると、いちいち図で描かなくても覚えられます。
ちなみに、この方法は、薬剤師の人に教えてもらいました。
血管系
動脈
動脈に弾力性があるのは、心臓から血液が一気に流れる圧力に耐えるためです。
上腕部はひじから肩の間の腕の部分。
静脈
静脈の血管が薄くて圧力が低いのは、栄養を手放した血液が心臓に戻るだけという理由であるためです。
血液
血球と血漿にわかれます。
血漿
ほぼ水分です。
90パーセント以上を占めるので、アルブミンやグロブリン、脂質は、ほんのわずかとなります。
わずかしか無いアルブミンですが、医薬品の成分が体内に入ってきたときに重要な「複合体」になるという、絶大な効果を発揮します。
少し先の代謝・排泄の項目で出てくる、有効成分と速やかに可逆的に結合する血漿タンパク質。
それがアルブミンです。
浸透圧……濃度が薄い方から濃い方へ移動するのを引き止める圧力。
このおかげで、血漿成分(ほぼ水分)が血管から組織に流れるのを防ぎます。
アルブミンが不足すると、水分が組織内に流れてしまいむくんでしまいます。
漬物をつけたときキュウリやナスから水分が出て萎びるのは、塩分濃度による浸透圧の原理です。
わずかしか無いグロブリンですが、免疫の抗体として重要な役割をしています。
第3章のアレルギー成分の項目に出てくる、アレルゲンを特異的に認識し、肥満細胞を刺激する抗体。
それがグロブリンです。
ちなみに、リンパ球のB細胞がグロブリンを作ります。
●タンパク質 + 脂質(リポ) =リポタンパク質
リポタンパク質は高コレステロール改善薬の項目で出てくる、コレステロールを運ぶ役割をしています。
血液の粘稠性は、医療系テレビでやっている、ドロドロ血液をイメージしてください。
水分が少なかったり赤血球が多いと血管が詰まってしまいます。
水分と赤血球の量で粘稠性が決まるので、脂質の量はほとんど関係ありません。
赤血球
骨髄で作られる赤血球 = 40% (大事)
酸素の多い肺から、酸素の少ない中枢神経(内蔵から足先まで、身体の隅々にある神経)に酸素を運ぶ役割をしています。
二酸化炭素は血液中に溶けて運ばれるので、赤血球はほぼ使われません。
白血球
白血球のうち好中球 = 60% (大事)
遊走で真っ先に細菌やウイルスに駆けつけ、食作用で直接取り込んで殺すことができます。
白血球のうちリンパ球 = 3分の1 (大事)
リンパ球のT細胞がウイルスを認識し、B細胞が抗体でやっつけます。
白血球のうち単球 = 5% (大事)
数が少ないため好中球より駆けつけるのが遅いが、一番大きく食作用が強いです。
※ちなみにマクロファージは、分解した細菌やウイルスをT細胞に情報提示して教えてあげたり、死んだ細胞を分解する役割があります。
血小板
・血管が傷ついて血が出てきたときに止める役割をしています。
●ケガをしてかさぶたができる流れ
ケガをする
↓
血管が収縮して血が出るのを少なくする
↓
血小板がケガに集まりキズを覆う
↓
血漿に含まれるフィブリノゲンがフィブリンになる
↓
繊維状のフィブリンに赤血球や血小板が絡まる
↓
血餅(けっぺい)という血のかたまりになり、傷口が塞がる
↓
かさぶたとして止血完了
フィブリノゲン
フィブリノゲンは血漿の中に含まれます。
アルブミンやグロブリンと同じタンパク質の1つ。
●血液 - 血球 = 血漿
●血液 - (血球+フィブリノゲン) = 血清
フィブリノゲンは血液凝固作用(血液を固める作用)があります。
血球を取り除いた血漿を免疫検査などに用いられます。
内容によっては凝固作用が必要ない場合もあり、その際は血清が使われます。
セミアルカリプロティナーゼ、ブロメライン(かぜ薬の抗炎症成分)にはフィブリノゲン、フィブリンを分解する作用があります。
そのため血が止まりにくい人は、全然血が止まらなくなり、症状が悪化します。
脾臓(ひぞう)
握りこぶし大のスポンジ状の臓器で、内部が網目構造になっています。
主な役割……古くなった赤血球を壊す。
若い赤血球は柔軟性があるのですり抜けられますが、古いものは引っかかり、マクロファージに分解されます。
リンパ系
リンパ系はポンプの働きをする器官がある、血流と同じくらいの速さで流れている……×間違い
リンパ系はポンプの働きをする器官がない、骨格筋の収縮によるので流れは穏やか……〇正解
リンパ液……血漿とほぼ同じ成分ですが、タンパク質が少なくリンパ球があります。
リンパ管……心臓と同じように逆流防止の弁があり、静脈に繋がります。
動脈ではありません。
リンパ節は首、鎖骨、脇の下、脚の付け根に集まっています。
風邪をひいたらリンパが腫れて痛くなる場合があります。
それは正に、リンパ節でリンパ球やマクロファージがウイルスと戦っているところです。
まとめ
- 心臓が循環する順番を覚える
- 各組織の配合量(%)は大事
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