目や鼻、耳のしくみがややこしい。
結膜と強膜のちがいがわからない。
蝸牛と前庭って、結局どうちがうか知りたい。
そんな疑問を、解決します。
この記事では、目、鼻、耳の感覚器官の要点の解説をしています。
さらに、イメージしやすいようにわかりやすい例えを交えているので、想像しやすいと思います。
お手持ちのテキストと一緒にご覧いただくと、理解が深まります。
あなたの勉強に、役立てたら幸いです。
下の目次から、見たい項目をどうぞ。
感覚器官について
感覚器官は、外界のさまざまな現象を刺激として脳に伝える器官です。
- 視覚器(目)
- 嗅覚器(鼻)
- 聴覚器(耳)
目(視覚器)
目は、眼球、眼瞼(がんけん)、結膜、涙器(るいき)、眼筋(がんきん)などで構成されていて、顔面の左右に1対ずつあって物体の遠近感を認識することができます。
眼球
眼球の外側は、正面前方付近の黒目の部分のみに透明な角膜がおおっています。
黒目以外の部分は強膜という乳白色の結合組織がおおっています。
- 角膜……黒目の部分だけを覆う膜
- 強膜……白目の部分だけを覆う膜
ひっかけ問題で「角膜は、白目の部分だけを覆う膜」と出てきたら、×間違いです。
紫外線を含む光に長時間当たっていると、角膜(黒目)の上皮が損傷してしまいます。
その状態を雪眼炎(せつがんえん)・雪目と呼び、簡単に言えば目の日焼けです。
眼球の中には、さまざまな組織が集結しています。
- 水晶体……透明なレンズ
- 房水……角膜と水晶体の間にある組織液
角膜(黒目の膜)と水晶体(レンズ)には血管が通っていません。
もし通っていたら血管が視界に入ってしまいます。
- 虹彩……レンズ(水晶体)の周りを覆っている膜
虹彩(こうさい)は、光の量を調節します。
眩しいと、虹彩が瞳孔(どうこう)=黒目のあなを縮ませて光の量を減らします。
ここで猫の目をイメージしてください。
明るいところでは細い黒目ですが、暗いところでは真ん丸な黒目ですよね。
厳密には、黒目の大きさが変わるのではなく、黒目の周りの虹彩の大きさが変わります。
- 毛様体……レンズを調節する組織
毛様体(もうようたい)は、遠近の焦点を調節します。
ちなみに、市販の目薬にネオスチグミンというピント調節成分が入っている場合があります。
ネオスチグミンは、この毛様体のはたらきを助ける作用があります。
●目の調節機能=ネオスチグミン=毛様体
目は、ビタミンAが必要になってきます。
不足すると、目の乾燥感や夜盲症(とり目)につながります。
夜盲症(やもうしょう)とは、暗いところで目が見えなくなる病気です。
鳥などが、特に夜間に視力が低下するので「とり目」と呼ばれたりします。
結膜
結膜は、白目の強膜とまぶたの裏側をつなげる、うすい透明の膜です。
イメージとしては、アッカンベーがわかりやすいです。
アッカンベーをすると、指で目の下のまぶたを引っ張りますよね。
そのまぶたが引っ張られた目の下の粘膜の部分が結膜です。
この結膜が充血すると、白目とまぶたの裏(アッカンベーで引っ張られた粘膜)が赤くなります。
逆にまぶたの裏が赤くならず、白目の部分がピンク色だと、強膜が充血していることになります。
ちなみにプールに入って目が赤くなる原因は、塩素ではなく尿による化学反応と言われています。
※この場合、衛生面に問題があるかもしれません
涙器
涙器(るいき)とは涙腺(るいせん)と涙道(るいどう)のことで、涙のための器官です。
- 涙腺……上まぶたの裏側にある、涙を生み出す器官
- 涙点……目頭の内側にある小さなあな
- 涙道……涙点から鼻に涙が流れる菅
涙腺と涙道は、水道でイメージできます。
涙腺は水道の蛇口で、水(涙)を出します。
涙道は排水管で、出した水(涙)を流します。
眼筋
眼筋(がんきん)は、眼球の周りに6本あります。
眼筋を画像検索すると、目玉おやじにピンク色のテープがくっついているような画像が出てきます。
それぞれの筋肉に名前がありますが、登販試験では6本という数字を覚えてください。
目の症状は、大きくわけて2つあります。
- 疲れ目……目だけの疲労
- 眼精疲労……全身症状が出る疲労
疲れ目は、涙の不足などによる、目のかすみや充血などの症状です。
眼精疲労は、ストレスや睡眠不足などによる、目の疲れや肩こり、頭痛などの全身に出る症状です。
疲れ目は市販の目薬で何とかなったりします。
眼精疲労は、病院で診察を受けるなどといった根本的な原因を治す必要があります。
放置しておくと、悪化してドライアイという病気になったりもするので注意がひつようです。
鼻(嗅覚器)
鼻腔
鼻腔(びくう)、つまり鼻の穴の中です。
同じにおいを嗅ぎ続けると、慣れてしまって異常性を感じなくなることを「順応」(じゅんのう)といいます。
香水売り場でテスターを嗅ぎ続けていて、においの違いがわからなくなる現象がこれです。
鼻腔は、横からの画像を見るとわかりますが、かなり大きいです。
その上部の粘膜に、においを感じる特別な神経細胞が嗅細胞です。
上記の内容が問題に出る場合もあります。
鼻中隔(びちゅうかく)とは、右と左の鼻の穴の間にある軟骨の壁です。
粘膜がうすいので、鼻血がよく出る場所です。
副鼻腔
副鼻腔(ふくびくう)は、鼻の周りにある空洞です。
ここが慢性的に炎症を起こすと、慢性副鼻腔炎となります。
一般的には、蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれます。
鼻腔は鼻の穴、副鼻腔は鼻の周りの穴、です。
「副鼻腔は、薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって左右に仕切られている。」
という問題が出てきたら×間違いです。
耳(聴覚器)
耳は、外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)、内耳(ないじ)の3つに分類群されます。
外耳
外耳は耳介と外耳道からなります。
- 耳介……耳そのもの、軟骨でできている
- 外耳道……耳の穴、耳かきするところ
中耳
中耳は4つの名前を覚えてください。
鼓膜・鼓室・耳小骨・耳管、です。
- 鼓膜……音を受けて振動する膜
- 鼓室……鼓膜の奥にある空間
- 耳小骨……鼓膜の振動を伝える3つの骨
- 耳管……耳抜きするための器官
耳小骨は3つ、といった骨の数が問題に出てきます。
小さな子どもの耳管は、太くて短いです。
「子供の耳管は、細くて長い」は×間違いです。
耳管は鼻腔や咽頭(いんとう)につながっています。
つまり耳と鼻と喉は、それぞれ深く関係しています。
病院の耳鼻咽喉科(じびいんこうか)は、名前の通り、それらの器官を専門としているわけです。
ちなみに中耳炎は、一般的だと鼻から耳管に細菌やウイルスが入って炎症が起こる症状です。
内耳
内耳は、蝸牛(かぎゅう)と前庭(ぜんてい)の2つからなります。
- 蝸牛……かたつむりの形、音を聞く器官
- 前庭……耳石器官と半規管にわけられる
どちらもリンパ液で満たされています。血漿や血液ではありません。
さらに前庭は2つにわけられます。
- 耳石器官……水平・垂直方向の加速度
- 半規管……体の回転や傾き
エレベーターの上下の移動を感じることができるのは、耳石器官(じせききかん)です。
電車が動き始めたときの、身体が引っ張られるような感覚も同じ耳石器官ですね。
回転イスでぐるぐる回る感じは、半規管(はんきかん)です。
回転イスを止めたあとも、半規管に満たされているリンパ液がちゃぷちゃぷ波打っているので、頭はグルグルしているのです。
半規管は3つあるので、三半規管とも呼ばれます。
耳石器官と半規管は、どちらも平衡器官を担当しています。
音を聞くための聴覚器官は、かたつむりの蝸牛です。
前庭は、×間違いです。
感覚器官の効率的な勉強方法
「画像検索」を活用する
この項目でも、難しい専門用語がたくさん出てきます。
単語を見ても、頭になかなか入ってこない。
ここで、「画像検索」が勉強を進めるためのヒントになります。
単語だけ見てもイメージしにくく、覚えられないときは本当に使えるんです。
GoogleやYahooなどの検索エンジンを利用すると、すぐ検索結果が出てきます。
例えば、副鼻腔を画像で検索すると、鼻の周りに広がる空間の絵がどんどんヒットします。
そこから鼻腔(鼻の穴)と違うイメージが、目で見て理解できます。
「単語+とは」で、医療系サイトを探す
ここでも検索エンジンを使います。
単語名を検索欄に入力して、「~とは」と、検索します。
例えば、白目とまぶたの裏側と、なかなかイメージしにくい結膜。
「結膜とは」 と検索すると、説明や絵と共に、信頼できる医療系サイトが検索上位に現れます。
中には難しい専門サイトも出てきますが、取捨選択して探していくと、わかりやすいウェブサイトがヒットします。
もちろん、この調べ方は感覚器官だけでなく、他の器官にも使えます。
第3章の成分の作用など、わからないときは検索という方法を有効に利用してください。
実際、私もかなり画像検索を利用しました。
テキストの絵だけ何となく見ていても覚えられません。
的確なイラストを探す手間はかかりますが、それに見合った結果が出てくるはずです。
まとめ
- 角膜・強膜・結膜のちがいを理解する
- 鼻腔と服鼻腔の空洞はそれぞれ異なる
- 蝸牛は聴覚器官、前庭は平衡器官
目、鼻、耳は、感覚器官として、あなたの生活に必要不可欠なほど役割を果たしています。
それぞれ何かしらのきっかけで相談にこられたとき、市販薬で対応できるのか、