- 抗ヒスタミン成分が、なかなか覚えられない。
- 抗ヒスタミン成分の覚え方のコツが知りたい。
- 第3章の項目にたくさん出てきて、余計にわからない。
そんな悩みを、解決します。
この記事では抗ヒスタミン成分のはたらき、配合されている薬の種類、覚え方を紹介しています。
さらに抗ヒスタミン成分を全て覚えられる、語呂合わせを紹介しています。
あなたの勉強のおともに、活用してください。
はじめに:ヒスタミンという物質について
ヒスタミンとは「脳を刺激して覚醒するための物質」です。
正常に機能してはたらいているのなら、何も支障ありません。
ところが、
ヒスタミンが過剰にドバドバとたくさん出ると、身体も異常に反応してしまいます。
主な症状は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、などです。
その症状こそが、ヒスタミン過剰によるアレルギー反応というわけです。
過剰に出すぎたヒスタミンを抑えるのが、抗ヒスタミン成分の役割となります。
登録販売者試験で抗ヒスタミン成分が含まれる薬
抗ヒスタミン成分が含まれる薬は、登録販売者試験では4種類です。
- アレルギー薬
- 催眠鎮静薬
- 酔い止め薬
- 咳止め薬
アレルギー薬
抗ヒスタミン薬は、アレルギーが原因の花粉症の薬にほとんど全部配合されています。
アレルギー薬に含まれる抗ヒスタミン成分は、他の成分名と比べて覚える数が多いんですよ、、
- クロルフェニラミン
- カルビノキサミン
- クレマスチン
- ジフェンヒドラミン
- ジフェニルピラリン
- トリプロリジン
- メキタジン
- アゼラスチン
- エメダスチン
- ケトチフェン
ピンポイントで注意事項のある成分も、覚えるべき内容です。
ジフェンヒドラミンは、赤ちゃんのおちちに成分が移行してしまうため、授乳している人は使用禁止です。
「乳児(1歳未満の赤ちゃん)が、昏睡状態になる」からです。
メキタジンは、アナフィラキシー・肝機能障害・血小板減少の重篤な副作用が、まれにあります。
そんな抗ヒスタミン成分ですが、
花粉症の方がよく使用する、アレグラやアレジオンのような飲むタイプのアレルギー薬に配合されています。
この抗ヒスタミン成分の作用により、
くしゃみや鼻水が止まるしくみになっています。
内服薬以外にも、鼻炎薬、目薬、かぜ薬、虫刺されの薬など、かなりの医薬品に配合されているのが特徴です。
逆に言ってしまえば、ヒスタミンの量が通常よりも低下すると、覚醒とは逆にあたる眠気の症状が出てきます。
つまり、アレルギー薬の副作用として現れます。
よく効くアレルギー薬は、副作用が強いものが多いです。
(なかには眠気が出ない薬もあります)
「くしゃみ・鼻水は止まるのに、眠くて眠くてしかたない…」
これでは私生活に支障をきたすので困りますが、
抗ヒスタミン成分の副作用を逆手にとった薬があります。
それが、催眠鎮静薬です。
催眠鎮静薬
催眠鎮静薬(さいみんちんせいやく)と読みます。
この薬は抗ヒスタミン成分の副作用である、眠気が主役となっているんですね。
主に睡眠の改善を目的として、ドラッグストアなどで販売されています。
つまり寝付きの悪い人や、興奮して眠れない人を対象とした市販薬です。
一般的に、睡眠改善薬と呼ばれています。
登録販売者試験では、催眠鎮静薬の抗ヒスタミン成分は1種類のみです。
- ジフェンヒドラミン
ジフェンヒドラミンは、15歳未満の小児は使用禁止です。
眠気とは反対の、神経過敏や中枢興奮の副作用があるからです。
睡眠障害などで病院から処方される眠剤(みんざい)とはちがい、根本的に成分の作用が全く異なります。
そのため、医療用医薬品に抗ヒスタミン成分の睡眠改善薬はありません。
鎮暈薬
鎮暈薬(ちんうんやく)と呼ばれていて、車やバスなどの酔い止めの薬です。
先ほど紹介した、睡眠改善薬と同じような効果があります。
酔い止めの薬の抗ヒスタミン成分は、5種類あります。
- ジメンヒドリナート
- メクリジン
- プロメタジン
- クロルフェニラミン
- ジフェンヒドラミン
メクリジンは、他の成分と比べて、効果が出るのが遅いです。
その分、持続時間も長くなっています。
問題で「作用の発言が早く、持続時間が短い」とあれば、×間違いです。
プロメタジンは、15歳未満の小児禁止の年齢制限があります。
乳児突然死症候群・乳児睡眠時無呼吸発作のような、死につながる致命的な副作用があるためです。
そのため、大人用の酔い止め薬を子供に使用するのは避けましょう。
ちなみに、よく似た成分として抗めまい成分があります。
補足すると、
抗めまい成分は、抗ヒスタミン成分と作用は似ていますが全然ちがいます。
抗めまい成分は、内耳への血流を改善する作用で、成分としてはジフェニドールのみです。
抗めまい成分のジフェニドールとともに抗ヒスタミン成分が一緒に配合されているので、おもに眠気を誘う目的としている場合が多いそうです。
なので、酔い止め薬を飲んだら運転するのはダメです!
副作用の眠気で事故を起こしてしまう恐れがあるので、鎮暈薬の注意事項に、車の運転を控えるように表記されています。
余談ですが、睡眠改善薬と酔い止め薬について。
眠気がメインの効果ですが、抗ヒスタミン成分の作用がはたらきます。
つまり睡眠改善薬や酔い止め薬を飲むと、
副作用として、くしゃみや鼻水が止まって花粉症やハウスダストなどの症状が改善されます。
(これはこれでメリットだったりする)
鎮咳去痰薬
鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)と呼ばれていて、いわゆる咳どめの薬ですが、抗ヒスタミン成分が配合されています。
主に、アレルギーが原因の咳や炎症に効果があり
咳どめ薬に配合されている、鎮咳成分、気管支拡張成分、抗炎症成分のはたらきを助けます。
鎮咳去痰薬の抗ヒスタミン成分は3種類あります。
- クロルフェニラミン
- クレマスチン
- カルビノキサミン
注意点として、気道粘膜からの分泌を抑えてしまうため、痰が出にくくなることがあります。
以上、抗ヒスタミン成分が含まれる市販の薬についてです。
概要をおさえたら、次は記憶に定着するように暗記していきます。
抗ヒスタミン成分の語呂合わせ
抗ヒスタミン成分は、前半部分で説明したように様々な薬に登場します。
じつは登録販売者試験向けの語呂合わせがあるんですね。
抗ヒスタミン成分の語呂合わせ …
【みんなケチ、チンピラ地蔵、イソジンくれ】
【みんなジンくれ、ヒスタミン】
語呂合わせについての詳しい内容は、下記のまとめ記事をどうぞ。
» 【登録販売者試験】第3章の語呂合わせまとめ(抗ヒスタミン成分)
補足:ジメンヒドリナートについて
「ジメンヒドリナート」という名称の成分があります。
こちらは抗ヒスタミン成分なのですが、
「ジメンヒドリナート = ジフェンヒドラミンの一般名」です。
何となく雰囲気が似ているのは、そのためなんですね。
この名称は、ジフェンヒドラミンの名前にひっかけると覚えられます。
ジフェンヒドラミン
↓
ジメンヒドラミン
↓
ジメンヒドリナート
ちなみに、過去に試験でジメンヒドリナートについて問われたことがあります。
「ジフェンヒドラミン=ジメンヒドリナートの一般名」
頭の片隅に、ほんのりと入れておくと良しです。
【実践向け】抗ヒスタミン薬の注意喚起
抗ヒスタミン薬について、仕事の現場での接客で気をつけてほしいことを補足します。
抗ヒスタミン成分は多くの市販薬に配合されているので、種類のちがう薬でも成分が重複する可能性があります。
よくあるパターンだと、
「アレルギー薬 + かぜ薬」です。
完全に、抗ヒスタミン成分が重複してしまう場合があります。
この組み合わせは、花粉が飛んでいて、風邪の症状が出やすい2〜3月ごろに多いです。
抗ヒスタミン成分の薬を同時に2種類買ってしまうんですね。
しかし、お客さんは「抗ヒスタミン成分が重複していること」なんてことは知りません。
そのため、もしかぜ薬とアレルギー薬を併用しようとしているなら、あなたが注意喚起をおこなう必要があります。
試験勉強では頭の片隅に置いておいて、仕事の現場のときに思い出しておくと、現場で役に立ちます。
【第3章】抗ヒスタミン成分のまとめ
- 抗ヒスタミン成分はヒスタミンを止める
- 副作用として眠気がくる
- その副作用を効能効果にした薬もある
- かぜ薬など、成分の重複に注意する
抗ヒスタミン成分は、第3章の序盤に出てくる成分です。
成分の数が多く、ややこしく覚えにくいのが特徴だったりします。
語呂合わせを活用してみたり、成分の作用を理解できると問題が解けるようになります。
コメント