【漢方の覚え方】登録販売者試験対策・重要キーワードまとめ

・登録販売者試験に出題される、漢方が覚えられない。

・わかりやすい覚え方で、漢方を勉強したい。

・漢方で、どこが重要なのか知りたい。

そんな悩みを、解決します。

この記事では、試験に出てくる漢方と、それぞれの漢方に関連するキーワードをまとめました。

漢方の重要なポイントが、一目でわかります。

さらに「漢方の名前 ↔︎ 重要なキーワード」を一緒に覚えられるようにしてあります。

勉強時間を短縮して効率よく覚えたいなら、活用してみてください。

目次

登録販売者試験:漢方の覚え方・解説まとめ

この記事では、漢方の覚え方について解説しています。

主に、以下の内容をまとめました。

  • 【漢方】試験で出題される傾向について
  • 試験範囲の漢方一覧表について
  • 漢方の重要キーワード

【漢方】試験で出題される傾向について

登録販売者試験の漢方についての問題は、実は出題される傾向が決まっています。

ざっくりまとめると、下記のような流れです。

  • 漢方名と証(しばり)を一致させる
  • カンゾウ、マオウ、ダイオウの有無

漢方名と証(しばり)を一致させる

漢方に関する問題は、漢方の証(しばり)がそのまま出題されます。

しばりとは、体調や体質など、あなた自身の特性をあらわしています。

漢方名と証(しばり)を一致させて、正解するという流れですね。

漢方には、それぞれ個性的な重要キーワードがあります。

漢方ごとに「このキーワード=この漢方」とおおよそ決まっているので、名前とキーワード(しばり)を関連付けることで時短で勉強できます。

カンゾウ、マオウ、ダイオウの有無

漢方には、以下の3種類の生薬が含まれているときがあります。

  • カンゾウ(甘草)
  • マオウ(麻黄)
  • ダイオウ(大黄)

「この3種類の生薬が含まれているか、含まれていないか」
という問題が、よく出題されます。

いわゆる、あるなし問題ですね。

カンゾウは抗炎症作用を持つ、わりかしポピュラーな生薬です。

実は、生薬の中でも重要なポジションで、8〜9割くらいの漢方に含まれているんですね。

つまり、登録販売者の試験範囲に出てくる漢方は、ほとんどカンゾウが含まれています。

そのため、あえてカンゾウが含まれていない漢方を選ぶ問題が出てきたりします。

カンゾウとちがい、マオウ・ダイオウが含まれている漢方は数が限られています。

試験範囲である漢方のおよそ2〜3割程度ですね。

そのため、マオウが含まれている漢方、ダイオウが含まれている漢方をそれぞれ選ぶ問題が出てきます。

【試験対策】漢方で覚えるべきポイント

試験対策として、漢方で覚えてほしい重要なポイントは5つあります。

  • 漢方の名前
  • 重要なキーワード
  • カンゾウが含まれていない
  • マオウが含まれている
  • ダイオウが含まれている

漢方を攻略したいなら、覚えるべきポイントです。

理解できれば、過去問が解けるようになります。

そして試験本番で、特に役に立ちます。

私はこのやり方で、漢方を覚えるためのコツをつかみ合格しました。

漢方と重要キーワードだけなら、丸暗記するよりも覚える説明文がかなり減ります。

難しいイメージがある漢方ですが、コツをつかめば理解しやすくなります。

漢方の勉強に役に立つ本も、あなたの勉強の手助けをしてくれます。

気になる方は、ご覧ください。

»【登録販売者向け】漢方を勉強できるおすすめ本まとめ

登録販売者試験:漢方の重要キーワード

登録販売者試験に出てくる漢方を、一覧にまとめました。

漢方名、重要なキーワード、カンゾウ・マオウ・ダイオウの有無がわかります。

  • カンゾウ×…カンゾウが含まれていない(ほとんどの漢方にカンゾウが含まれています)
  • マオウ◎…マオウが含まれている
  • ダイオウ◎…ダイオウが含まれている

かぜの症状に用いられる漢方

「かぜ」といっても、その症状は多種多様です。

そのため種類も多く、覚えるのも大変です。

体力があるかないか、かぜの初期か後期か、どういった症状なのか。
漢方の特徴を見て、覚えましょう。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 葛根湯
  • 桂枝湯
  • 香蘇散
  • 柴胡桂枝湯
  • 小柴胡湯
  • 小青竜湯
  • 麻黄湯

葛根湯

葛根湯(かっこんとう)と読みます。

一般的に「かぜをひいたら、とりあえず葛根湯」というイメージがありますが、かぜの万能薬ではないんですね。

実際は体力がそこそこある人向けなので、虚弱体質の人にはオススメできません。

発汗作用のあるマオウ(麻黄)が含まれているため、
身体が冷えていて、血流促進させるには葛根湯が向いています。

・かぜの初期
・肩こり
マオウ◎

» 葛根湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

葛根湯は、自分のエネルギーを使って汗をかかせるための漢方なので、体力が無い人には不向きという点を覚えておきましょう。

桂枝湯

桂枝湯(けいしとう)と読みます。

葛根湯から、カッコン(葛根)とマオウを除いたものが桂枝湯です。

汗をかいて、弱っている人向けの漢方となります。

・かぜの初期
・汗が出る人

» 桂枝湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

香蘇散

香蘇散(こうそさん)と読みます。

香蘇散の「香」は、コウブシ(香附子)という生薬から名前がつけられているんですね。

コウブシは、痛みをやわらげる鎮痛・鎮静の作用があります。

・かぜの初期
胃腸の弱い人

» 香蘇散の主な特徴(しばり・構成生薬)

柴胡桂枝湯

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と読みます。

基本処方である、小柴胡湯と桂枝湯を合わせた漢方です。

サイコ(柴胡)は鎮痛や抗炎症作用がある生薬で、発汗作用で汗を出し、甘い香りは健胃作用で胃の働きを高めます。

かぜの中期から後期
・胃腸炎
・寒気

» 柴胡桂枝湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

ケイシ(桂枝)は生薬ですが、実はシナモンだったりします。

小柴胡湯

小柴胡湯(しょうさいことう)と読みます。

インターフェロン製剤といえば、小柴胡湯です。

第5章で関連してくる内容で、過去問にもよく出題されるのでチェックしておきましょう。

そして、間質性肺炎・肝臓病が注意すべきキーワードとなります。

かぜの後期
・食欲不振
・吐き気

» 小柴胡湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

小柴胡湯は、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、口に苦味があるような吐きけのあるかぜに向いている漢方です。

小青竜湯

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)と読みます。

一般的に、鼻水を止める漢方で有名なのが、小青竜湯だったりします。

マオウ(麻黄)が主役で、気管支拡張作用で気管支喘息などにも適応します。

・鼻水が出る人
・花粉症
マオウ◎

» 小青竜湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

中国の神話に出てくる四神の1匹、「青竜」の名前がついています。

ちなみに、大青龍湯という漢方もありますよ。

麻黄湯

麻黄湯(まおうとう)と読みます。

麻黄湯は、インフルエンザのような、かぜの症状に使用する漢方です。

実際に「インフルエンザ=麻黄湯を使う」といった意見もあるそうですよ。

・かぜのひきはじめ
・寒気
・身体のふしぶしが痛い
マオウ◎

» 麻黄湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

鎮痛の目的で用いられる漢方

鎮痛系の漢方は、主に痛みをやわらげる作用がメインとなります

頭、お腹、筋肉など、さまざまな部位に効くのが特徴です。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 桂枝加朮附湯
  • 呉茱萸湯
  • 芍薬甘草湯
  • 疎経活血湯
  • 釣藤散
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
  • 麻杏薏甘湯
  • 薏苡仁湯

桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)と読みます。

冷え症で関節が痛く、体力のあまり無い人向けの漢方です。

名前のとおり、桂枝湯に蒼朮と附子を加えた漢方です。

この「附」は、ブシ(附子)をあらわしていて、鎮痛や利尿作用があります。

手足が冷えてこわばる
・関節痛

» 桂枝加朮附湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

別名、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)とも呼ばれます。

呉茱萸湯

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)と読みます。

冷え症で片頭痛のある人向けの漢方で、全てあたためる生薬で構成されています。

ゴシュユ(呉茱萸)、ショウキョウ(生姜)、タイソウ(大棗)、ニンジン(人参)の4種類です。

カンゾウが入っておらず、とても苦いです。

・みぞおちが膨満する人
・頭痛
・しゃっくり
カンゾウ×

» 呉茱萸湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

呉茱萸湯は、しゃっくりにも効く漢方としても知られています

芍薬甘草湯

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)と読みます。

脚などの筋肉が、急につってしまったときの漢方です。

こむらがえり用の市販薬、コムレケア も成分の構成は芍薬甘草湯です。

・こむらがえり

» 芍薬甘草湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

芍薬甘草湯は、基本的に症状が出たときだけ服用します。

毎日3回飲み続けると、間質性肺炎などを引き起こすことがあります。

疎経活血湯

疎経活血湯(そけいかっけつとう)と読みます。

疎経「活血」湯という名前のとおり、血のめぐりを良くして活発にします。

しびれや痛みをやわらげる作用があります。

・しびれがある
・関節痛

» 疎経活血湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

構成されている生薬は、なんと17種類もあります。

釣藤散

釣藤散(ちょうとうさん)と読みます。

高血圧で、慢性的に頭痛や肩こりなどのある人には、釣藤散です。

・慢性頭痛
・高血圧

» 釣藤散の主な特徴(しばり・構成生薬)

釣藤散の名前の由来は、釣藤鈎(チョウトウコウ)という生薬から来ています。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)と読みます。

漢方名の「四」は四肢、つまり手足のことを指していて
末端まで冷えきった人を温めるための漢方
ということをあらわしています。

そして、漢方名にトウキ(当帰)とショウキョウ(生姜)が入っていますが、これらは身体を温める生薬です。

「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」という名前から、作用をイメージしやすいのが特徴です。

・手足の冷え
・下肢の冷えが強い

» 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

下腹部が痛くなり、四肢が冷たくなる月経痛のときにも使用されます。

麻杏薏甘湯

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)と読みます。

マオウ(麻黄)、キョウニン(杏仁)、ヨクイニン(薏苡仁)、カンゾウ(甘草)の4種類で構成される漢方です。

麻杏薏甘湯という名前は、上記の生薬から1文字ずつ頭文字を取っています。

・いぼ
・関節痛
マオウ◎

» 麻杏薏甘湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

ちなみに、配合されているヨクイニン(薏苡仁)は、「いぼ」を改善する生薬です。

薏苡仁湯

薏苡仁湯(よくいにんとう)と読みます。

腫れて熱をもっているような関節痛、筋肉痛に使用される漢方です。

・腫れや痛みのある人
マオウ◎

» 薏苡仁湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

メイン生薬の薏苡仁(ヨクイニン)は、ハトムギの種子です。

そのため、ハトムギアレルギーの人には使用できなかったりします。

神経痛・精神不安・不眠、小児の疳などの症状の緩和に用いる漢方

イライラ、情緒不安定、眠れない、子供の感情が荒れているなど、精神的な部分に効果を発揮する漢方です。

精神系の漢方は作用が似ていますが、少しずつ効果がちがうのが特徴です。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 加味帰脾湯
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯
  • 柴胡加竜骨牡蠣湯
  • 酸棗仁湯
  • 小建中湯
  • 抑肝散
  • 抑肝散加陳皮半夏

加味帰脾湯

加味帰脾湯(かみきひとう)と読みます。

心身が疲れていて、血色が悪く、微熱などがある人向けの漢方です。

熱感をともなう人の貧血

» 加味帰脾湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

桂枝加竜骨牡蠣湯

桂枝加竜骨牡蠣湯
(けいしかりゅうこつぼれいとう)と読みます。

イライラしていて眠れない、神経質な人向けの漢方です。

リュウコツ(竜骨)は哺乳類の化石の骨なのですが、生薬として含まれています。

・興奮しやすい人
・神経質

» 桂枝加竜骨牡蠣湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

ちなみに、リュウコツ(竜骨)とボレイ(牡蠣)は、不眠や神経症の漢方によく配合されている生薬セットです。

次に紹介する漢方も、同じく配合されています。

柴胡加竜骨牡蠣湯

柴胡加竜骨牡蠣湯
(さいこかりゅうこつぼれいとう)と読みます。

動悸、不安などの精神不安と便秘改善なら、柴胡加竜骨牡蠣湯が選択肢に入ります。

ボレイ(牡蠣)は、カキの貝がらの生薬です。

便秘などをともなう高血圧の随伴症状
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 柴胡加竜骨牡蠣湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

柴胡加竜骨牡蠣湯は、カンゾウが入っていないため味は苦いそうです。

酸棗仁湯

酸棗仁湯(さんそうにんとう)と読みます。

心身が疲れきって、眠れない人向けの漢方です。

酸棗仁湯のメイン生薬である、サンソウニン(酸棗仁)は鎮静作用があります。

・心身が疲れ、不眠症

» 酸棗仁湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

小建中湯

小建中湯(しょうけんちゅうとう)と読みます。

小建中湯とは、胃腸を意味する「中」を「建て直す」という意味をもつ漢方です。

主に、弱って疲れきった子供や、夜尿症(おもらし)の改善に使われます。

まずい味が多い漢方の中でも、
小建中湯は甘い味のため、小さい子供にも処方されたりしますよ。

・小児虚弱体質

» 小建中湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

抑肝散

抑肝散(よくかんさん)と読みます。

「肝(かん)」の高ぶりを「抑える」という意味から、抑肝散という名前になっています。

その名のとおり、イライラや怒りをおさえる漢方です。

・神経が高ぶり、怒りやすい
・イライラ

» 抑肝散の主な特徴(しばり・構成生薬)

更年期障害に悩む大人から、夜泣きの子供まで、幅広く使用されます。

抑肝散加陳皮半夏

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)と読みます。

「抑肝散」に、チンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)を加えた漢方です。

イライラだけでなく胃腸が弱い場合は、抑肝散ではなく抑肝散加陳皮半夏です。

・やや消化器が弱い人
・イライラ

» 抑肝散加陳皮半夏の主な特徴(しばり・構成生薬)

チンピ(陳皮)はミカンの皮のことで、健胃作用があります。

咳止め・去痰に用いられる漢方

咳にもいくつか種類があります。

そのため症状によって使い分けると、より効果的に発揮します。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 甘草湯
  • 五虎湯
  • 柴朴湯
  • 神秘湯
  • 麦門冬湯
  • 半夏厚朴湯
  • 麻杏甘石湯

甘草湯

甘草湯(かんぞうとう)と読みます。

痛みをやわらげる、抗炎症作用がはたらきます。

そのため、口内炎にも効いてくれます。

・激しい咳
・口内炎

» 甘草湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

ちなみに、カンゾウ(甘草)の1種類だけ配合された漢方です。

五虎湯

五虎湯(ごことう)と読みます。

五虎湯という名前のとおり、5種類の生薬からなる漢方です。

気管支喘息や、小児喘息にも使われます。

・咳が強く出る人の咳
マオウ◎

» 五虎湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

柴朴湯

柴朴湯(さいぼくとう)と読みます。

小柴胡湯と半夏厚朴湯を合わせた漢方で、2つの漢方名から1文字ずつ取って柴朴湯です。

別名、小柴胡合半夏厚朴湯(しょうさいこごうはんげこうぼくとう)とも呼ばれます。

咽喉(いんこう)、食道部に異物感

» 柴朴湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

柴朴湯は喉に異物感があり、吐きけなどをともなう咳に使われます。

神秘湯

神秘湯(しんぴとう)と読みます。

喘鳴とは、呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューなどと音がする症状です。

マオウ(麻黄)による気管支拡張作用で、つらい呼吸を楽にします。

・喘鳴(ぜんめい)
マオウ◎

» 神秘湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

麦門冬湯

麦門冬湯(ばくもんどうとう)と読みます。

麦門冬湯は、コンコンとした乾燥感のある咳に効く漢方です。

漢方名となっているバクモンドウ(麦門冬)は、咳や痰に効果がある生薬です。

乾燥感がある人のから咳

» 麦門冬湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

半夏厚朴湯

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と読みます。

半夏厚朴湯は、のどに異物感があり、気分がふさいでいるときに使用される漢方です。

・のどのつかえ感
カンゾウ×

» 半夏厚朴湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

漢方名でもある、ハンゲ(半夏)は咳、
コウボク(厚朴)は香りによる健胃作用があります。

麻杏甘石湯

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)と読みます。

漢方名は、マオウ(麻黄)・キョウニン(杏仁)・カンゾウ(甘草)・石膏(セッコウ)の4種類の頭文字から取られています。

ちなみに、麻杏甘石湯に1種類足すと、5種類になるため「五虎湯」に進化します。

・のどが乾く人の咳
マオウ◎

» 麻杏甘石湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

麻杏甘石湯は、汗をよくかいて、のどが乾く人に使われる漢方です。

喉の痛みに用いられる漢方

のどが痛いときは、お菓子コーナーののど飴を舐めていませんか?

症状に合っている漢方を服用するほうが効果があります。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 桔梗湯
  • 響声破笛丸
  • 駆風解毒散
  • 白虎加人参湯

桔梗湯

桔梗湯(ききょうとう)と読みます。

キキョウ(桔梗)とカンゾウ(甘草)の2種類で構成されている漢方です。

腫れて咳が出るなら、桔梗湯です。

喉が腫れて痛み、咳が出る

» 桔梗湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

響声破笛丸

響声破笛丸(きょうせいはてきがん)と読みます。

しわがれ声や、のどの不快感に使われます。

・しわがれ声
ダイオウ◎

» 響声破笛丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

芸能人がよく使用する漢方として、有名だったりします。

駆風解毒散

駆風解毒散(くふうげどくさん)と読みます。

駆風解毒散は、喉の腫れと痛みに効いてくれる漢方です。

さらに咳が出るなら、この漢方ではなく桔梗湯を選んでください。

・喉が腫れて痛む扁桃腺

» 駆風解毒散の主な特徴(しばり・構成生薬)

駆風解毒散は、駆風解毒湯(くふうげどくとう)とも呼ばれることもあります。

白虎加人参湯

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)と読みます。

白虎加人参湯は、のどが乾いて身体がほてり、かゆくなる症状に効く漢方です。

この漢方は白い色をしているため、「白虎」という名前が付いたとされています。

白虎とは、中国の神話に出てくる1匹です。

・熱感
・のどの渇き

» 白虎加人参湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

たとえば夏の夜、暑くてなかなか寝られないときに、飲むと重宝します。

身体のほてりや熱感、のどの渇きに効きます。

白虎加人参湯
サンワ

寝る前に服用すると、快適に寝ることができますよ。

胃の不調に用いられる漢方

胃もたれ、胃腸虚弱などに効果がある漢方は、意外と現場で聞かれます。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 安中散
  • 人参湯
  • 平胃散
  • 六君子湯

安中散

安中散(あんちゅうさん)と読みます。

漢方名に、胃腸を意味する「中」の文字が入っているのが特徴です。

安中散は胸やけや神経性胃炎など、胃酸の分泌が多いときなどに使われます。

腹部筋肉が弛緩(しかん)する傾向
・神経性胃痛

» 安中散の主な特徴(しばり・構成生薬)

人参湯

人参湯(にんじんとう)と読みます。

疲れて弱っている人に向いている漢方です。

別名:理中丸(りちゅうがん)と呼ばれます。

疲れやすくて手足などが冷えやすい人
・胃腸虚弱

» 人参湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

冷え症で胃が弱っているなら、人参湯です。

平胃散

平胃散(へいいさん)と読みます。

食べ過ぎによる胃もたれ、消化不良の人のための漢方です。

他の胃腸系の漢方と違い、平胃散はわりと元気な人向けです。

・胃がもたれて消化が悪い

» 平胃散の主な特徴(しばり・構成生薬)

六君子湯

六君子湯(りっくんしとう)と読みます。

痩せ型で弱っていて、食欲不振や消化不良の人向けの漢方です。

胃腸が弱く、みぞおちがつかえて疲れやすい

» 六君子湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

アニメちびまるこちゃんに出てくる、山根くん向けの漢方です。

(いつも胃腸がいたくて、お腹をおさえている男の子)

腸の不調に用いられる漢方

主に便通を良くするための漢方。

ほとんどに、ダイオウが含まれています。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 桂枝加芍薬湯
  • 大黄甘草湯
  • 大黄牡丹皮湯
  • 麻子仁丸

桂枝加芍薬湯

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)と読みます。

桂枝加芍薬湯は、お腹が張っていて腹痛のある人向けの漢方です。

ちなみに下痢、便秘のどちらでも使用できます。

・しぶり腹

» 桂枝加芍薬湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

大黄甘草湯

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)と読みます。

漢方名のとおり、ダイオウ(大黄)とカンゾウ(甘草)の2種類で構成された漢方です。

腸のはたらきを良くして、体力の有無にこだわらず、使用できます。

・体力に関わらない
・便秘
ダイオウ◎

» 大黄甘草湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

大黄牡丹皮湯

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)と読みます。

月経不順で便秘をともなう人には、大黄牡丹皮湯が向いています。

ボタンピ(牡丹皮)は、内蔵の痛みに使われる生薬です。

・便秘しがちな人
・月経痛
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 大黄牡丹皮湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

カンゾウが入っていないので、苦いそうです。

麻子仁丸

麻子仁丸(ましにんがん)と読みます。

うさぎのフンのような、硬くてコロコロした便に悩む、高齢者など体力の無い人向けの漢方です。

麻子仁丸は便をやわらかくして、便通を良くします。

便が硬く塊状(かいじょう)な人
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 麻子仁丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

動悸、息切れに用いられる漢方

動機、息切れなど、クラクラする症状に効く漢方があります。

登録販売者試験では、苓桂朮甘湯のみです。

苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)と読みます。

めまい、ふらつき、耳鳴りなどクラクラする症状や、動悸や息切れ、神経症に効果があります。

利尿作用があり、不要な水分を身体から出すことで症状を改善していく漢方が、苓桂朮甘湯です。

立ちくらみ
めまい
・耳鳴り

» 苓桂朮甘湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

高血圧の随伴症状に使われる漢方

高血圧の随伴症状(ずいはんしょうじょう)とは、
高血圧によって引き起こされるさまざまな症状のことです。

のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭が重いなど、これらの症状は高血圧からくる随伴症状といえます。

これらの漢方のキーワードは、「高血圧の随伴症状」です。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 三黄瀉心湯
  • 七物降下湯

三黄瀉心湯

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)と読みます。

三黄瀉心湯の「瀉心」は、心のエネルギーを流してイライラをおさえるという意味があります。

オウゴン(黄芩)、オウレン(黄連)、ダイオウ(大黄)の3つの「黄」のつく生薬で構成されています。

そのため、三黄瀉心湯は、漢方名から効果と作用を知ることができます。

のぼせ気味
・便秘
高血圧の随伴症状
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 三黄瀉心湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

七物降下湯

七物降下湯(しちもつこうかとう)と読みます。

血の流れや肌つやを良くする四物湯に3種類加えて、全部で7種類の生薬が配合されています。

7種類の生薬で、血圧を「降下」させるため、七物降下湯という漢方名ということです。

顔色が悪くて疲れやすい
・高血圧の随伴症状
カンゾウ×

» 七物降下湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

痔の症状に用いられる漢方

痔に関する薬は、塗り薬、注入薬だけでなく、漢方薬も存在します。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 乙字湯
  • 芎帰膠艾湯

乙字湯

乙字湯(おつじとう)と読みます。

乙字湯は便通を良くし、痔の炎症をおさえる漢方です。

「乙字湯=お通じ湯」と呼ぶ人もいますが、確かに漢方名が似ていますね。

大便が硬い
・痔核、切れ痔
ダイオウ◎

» 乙字湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

芎帰膠艾湯

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)と読みます。

冷え症で、出血のある痔に効果があります。

「芎帰」膠艾湯の名前の由来でもある、センキュウ(川芎)、トウキ(当帰)が血流を良くし、身体をあたためます。

冷え症
・痔出血

» 芎帰膠艾湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

泌尿器の症状に用いられる漢方

尿を出しやすくしたり、痛みを取り除く作用があります。

泌尿器系の漢方は、ほとんどカンゾウが含まれていません。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 猪苓湯
  • 竜胆瀉肝湯
  • 六味丸
  • 八味地黄丸
  • 牛車腎気丸

猪苓湯

猪苓湯(ちょれいとう)と読みます。

膀胱炎で一般的な漢方なら、猪苓湯です。

・排尿痛、残尿感
カンゾウ×

» 猪苓湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

竜胆瀉肝湯

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)と読みます。

竜胆瀉肝湯は、抗炎症成分のカンゾウが含まれています。

そのため、特に排尿時に痛みがある人には、猪苓湯よりも効果があります。

熱感や痛みがある人
・排尿痛
・こしけ(おりもの)

» 竜胆瀉肝湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

六味丸

六味丸(ろくみがん)と読みます。

6種類の生薬が含まれるため、六味丸という名前です。

・疲れやすくて尿量減少
カンゾウ×

» 六味丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

体力があまり無く、泌尿器の衰えには六味丸が使用されます。

そのため、高齢者向けの漢方とされています。

八味地黄丸

八味地黄丸(はちみじおうがん)と読みます。

六味丸に2種類加わると、八味地黄丸になります。

「尿漏れ」のキーワードは、八味地黄丸のみです。

・疲れやすくて尿量減少
・四肢の冷え
・尿漏れ
カンゾウ×

✔︎ 泌尿器の衰え + 冷え = 八味地黄丸

» 八味地黄丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

牛車腎気丸

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)と読みます。

八味地黄丸に2種類加わると、牛車腎気丸になります。

・疲れやすくて尿量減少
・四肢の冷え
・むくみがある
カンゾウ×

✔︎ 泌尿器の衰え + 冷え+ むくみ = 八味地黄丸

» 牛車腎気丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

女性の月経や更年期障害などの諸症状の緩和に用いられる漢方

全体的に月経困難、月経痛、更年期障害などに効果があります。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 温経湯
  • 四物湯
  • 温清飲
  • 加味逍遙散
  • 桂枝茯苓丸
  • 五積散
  • 柴胡桂枝乾姜湯
  • 桃核承気湯
  • 当帰芍薬散

温経湯

温経湯(うんけいとう)と読みます。

温経湯は、血のめぐりを良くし、身体をあたためてくれる漢方です。

足腰の冷えや、しもやけにも効果があります。

・手足がほてり、唇が乾く人

» 温経湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

四物湯

四物湯(しもつとう)と読みます。

体力が無い人向けで、身体をあたため、肌の色つやを良くします。

4種類の生薬で構成されているため、四物湯という名前です。

・冷え症
・貧血
・産後あるいは流産後の疲労回復
カンゾウ×

» 四物湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

実は、さまざまな漢方の基本的な型になっています。

たまに間違えられますが、四物湯にカンゾウは入っていません。

温清飲

温清飲(うんせいいん)と読みます。

温清飲は、皮膚炎や熱がこもってのぼせている人に効果があります。

四物湯(色つや改善)と黄連解毒湯(のぼせ改善)を合わせた漢方なので、どちらの効果も作用します。

・皮膚はかさかさして色つやが悪い
カンゾウ×

» 温清飲の主な特徴(しばり・構成生薬)

加味逍遙散

加味逍遙散(かみしょうようさん)と読みます。

月経困難によるイライラ、更年期障害、不眠症なら加味逍遙散です。

・のぼせ感
・精神不安やいらだち

» 加味逍遙散の主な特徴(しばり・構成生薬)

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)と読みます。

「のぼせて足冷え」という矛盾したような文章ですが、
上半身はのぼせていて下半身は冷えている状態ということです。

・のぼせて足冷え
・打ち身
カンゾウ×

» 桂枝茯苓丸の主な特徴(しばり・構成生薬)

気血水の血(けつ)が滞っているので、この血の流れを良くする漢方が桂枝茯苓丸です。

五積散

五積散(ごしゃくさん)と読みます。

冷えと痛みがあるなら、五積散です。

もちろん月経痛にも効果があります。

・冷え
・腰痛、神経痛、関節痛
マオウ◎

» 五積散の主な特徴(しばり・構成生薬)

柴胡桂枝乾姜湯

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)と読みます。

柴胡桂枝乾姜湯は、貧血気味、冷え症、神経過敏の症状が出る人への漢方です。

漢方名に「姜」の文字が入っており、乾姜(カンキョウ)が含まれているので身体をあたためてくれます。

ちなみに、生姜は生のショウガ、乾姜は乾燥させたショウガのことです。

・冷え症
・動悸、息切れ
・寝汗

» 柴胡桂枝乾姜湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

桃核承気湯

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)と読みます。

のぼせ、精神不安、便秘の組み合わせなら、桃核承気湯です。

婦人向けの漢方では唯一、ダイオウが含まれています。

・のぼせて便秘
ダイオウ◎

» 桃核承気湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

当帰芍薬散

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と読みます。

産前産後などで、疲れがたまっている人に処方されたりします。

四物湯と作用が似ているのですが、こちらは「色つや」のキーワードはありません。

・冷え症、貧血
・むくみ
カンゾウ×

» 当帰芍薬散の主な特徴(しばり・構成生薬)

皮膚、口内炎の症状で用いられる漢方

じんましん、にきび、かゆみなど、皮膚に関する症状に効果がある漢方です。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 茵蔯蒿湯
  • 十味敗毒湯
  • 消風散
  • 当帰飲子

茵蔯蒿湯

茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)と読みます。

茵蔯蒿湯は、比較的体力があって便秘する人に向きます。

そのため、体力がなく下痢をする人には逆効果です。

・便秘する人の蕁麻疹
・口内炎
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 茵蔯蒿湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

十味敗毒湯

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)と読みます。

「10種類の生薬で毒を取り除く」という意味から、十味敗毒湯と呼ばれます。

化膿している人、化膿しやすい人に効果があります。

・化膿性皮膚疾患
・蕁麻疹(じんましん)

» 十味敗毒湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

消風散

消風散(しょうふうさん)と読みます。

消風散の「風」は、体の表面・皮膚からの病因をあらわしています。

その「風」を「消し去る」ということで、消風散という名前です。

・かゆみが強くて分泌物が多い
・局所の熱感がある人
・皮膚炎

» 消風散の主な特徴(しばり・構成生薬)

皮膚に熱感があり、とてもかゆい人向けの漢方です。

当帰飲子

当帰飲子(とうきいんし)と読みます。

身体をあたため色つやを良くする四物湯に、かゆみを止める作用が追加されたのが当帰飲子です。

トウキ(当帰)という生薬は、血行を良くして冷えを治してくれます。

・冷え性で、皮膚が乾燥する人

» 当帰飲子の主な特徴(しばり・構成生薬)

鼻の症状に用いられる漢方

鼻の症状のキーワードは、「蓄膿症」です。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 葛根湯加川芎辛夷
  • 荊芥連翹湯
  • 辛夷清肺湯

葛根湯加川芎辛夷

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)と読みます。

葛根湯にセンキュウ(川芎)とシンイ(辛夷)が加わった漢方です。

血行を良くして、冷えによる鼻づまりを治します。

・鼻づまり
・蓄膿症
マオウ◎

» 葛根湯加川芎辛夷の主な特徴(しばり・構成生薬)

荊芥連翹湯

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)と読みます。

荊芥連翹湯は、熱や腫れなどの炎症をおさえる漢方です。

にきびや扁桃炎、慢性鼻炎にも効果があります。

・皮膚の色が浅黒い
・蓄膿症

» 荊芥連翹湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

辛夷清肺湯

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)と読みます。

膿が出るような鼻汁、熱感のある鼻づまりに効きます。

・濃い鼻汁が出る
・蓄膿症
カンゾウ×

» 辛夷清肺湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

蓄膿症の市販薬として販売されているチクナインは、辛夷清肺湯と同じ構成です。

外皮用に用いられる漢方

外皮用漢方薬とは、漢方の塗り薬のことです。

カンゾウ、マオウ、ダイオウは含まれていません。

特徴としては、名前に色の名前が入っています。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 紫雲膏
  • 中黄膏

紫雲膏

紫雲膏(しうんこう)と読みます。

シコン(紫根)とトウキ(当帰)から、有効成分を抽出した軟膏です。

シコンは、組織修復・抗菌・抗炎症作用があります。

・外傷
・火傷(やけど)

» 紫雲膏の主な特徴(しばり・構成生薬)

紫雲膏は、とても発色のいい赤紫色の軟膏なので、服につくとなかなか取れなかったりします。

中黄膏

中黄膏(ちゅうおうこう)と読みます。

オウバク(黄柏)とウコン(鬱金)から、有効成分を抽出した軟膏です。

化膿している皮膚の症状に効果があります。

・化膿性皮膚疾患

» 中黄膏の主な特徴(しばり・構成生薬)

中黄膏の軟膏の色は、ウコンのような黄土色(おうどいろ)をしています。

滋養強壮に使われる漢方

体力が全然なく、疲れきった人向けの漢方です。

キーワードは「疲労倦怠」です。

気血水でいうと、血や気などをおぎなう「補剤」として扱われます。

そのため漢方名に「補」という文字が入っています。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 十全大補湯
  • 補中益気湯

十全大補湯

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)と読みます。

十全大補湯は、疲れきっていて冷えや貧血などに悩む人の漢方です。

病気や手術後など、体力があまりないときに使用することもあります。

・疲労倦怠
・食欲不振
・貧血

» 十全大補湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

補中益気湯

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)と読みます。

「中を補い、気を益す」と書いて補中益気湯です。

「中」とは、中医学の用語で「お腹」をあらわします。

夏バテや、食欲がない時に効果があります。

・胃腸の働きが衰える
・疲労倦怠
・食欲不振

» 補中益気湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

肥満症に用いられる漢方

肥満症に関する漢方は、キーワードに「肥満」「肥満症」が含まれています。

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 大柴胡湯
  • 防已黄耆湯
  • 防風通聖散

大柴胡湯

大柴胡湯(だいさいことう)と読みます。

ダイオウ(大黄)、サイコ(柴胡)が名前に入っている漢方です。

体力が有り余っていて、腹部が苦しく便秘に悩む人は、大柴胡湯です。

・脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく
・常習便秘
・肥満症
カンゾウ×
ダイオウ◎

» 大柴胡湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

後述の防風通聖散と作用が似ていますが、こちらは高血圧や神経症などの興奮もおさえます。

防已黄耆湯

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)と読みます。

肥満症に悩んでいて、体力があまり無い人のための漢方です。

汗をかきやすく、ブヨブヨとしている水太りのような人は、身体の水分の代謝が上手くはたらいていません。

それなら防風通聖散よりも、余分な水分を出してくれる防已黄耆湯が向いています。

・汗をかきやすい
・肥満

» 防已黄耆湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

肥満系の医薬品コーナーに置いてある、コッコアポL も生薬の構成は防已黄耆湯です。

防風通聖散

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)と読みます。

脂肪分解作用、脂肪燃焼効果が認められていて、科学的根拠のある漢方です。

そのため医療用でも良く処方されたりします。

・腹部に皮下脂肪が多い
・のぼせ、むくみ
・便秘
・肥満症
マオウ◎
ダイオウ◎

» 防風通聖散の主な特徴(しばり・構成生薬)

内臓脂肪の漢方で有名な ナイシトールコッコアポEXも、中身は防風通聖散です。

のぼせの症状に用いられる漢方

ここでは、以下の漢方を紹介しています。

  • 黄連解毒湯
  • 清上防風湯

黄連解毒湯

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と読みます。

身体のほてり、のぼせの症状や、更年期障害などに効きます。

「鼻出血」、「二日酔い」というキーワードは、黄連解毒湯だけです。

・のぼせぎみ
・いらいらして落ち着かない
・鼻出血
・二日酔い
カンゾウ×

» 黄連解毒湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

清上防風湯

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)と読みます。

清上防風湯は、にきびや酒さなどの、顔の皮膚炎に効果があります。

清上防風湯の「上」は胸から上をあらわし、ボウフウ(防風)が熱を取ります。

漢方名から、顔の熱を取る効果があることがわかりますね。

・赤ら顔
・にきび
・赤鼻(酒さ)

» 清上防風湯の主な特徴(しばり・構成生薬)

ちなみに酒さ(しゅさ)とは、ほほや鼻などが赤らんで、プツプツと発疹が出てくる症状です。

以上、登録販売者試験に出てくる全ての漢方のキーワードを紹介しました。

ここで紹介した重要キーワードについては、試験対策用の知識です。

実際の現場では、お客さんから症状や体質を聞いて、より深く追求してから適した漢方を選びます。

今はそこまでしなくても大丈夫ですよ。

試験勉強中は、大事なポイントを中心に覚えていきましょう。

まとめ:漢方の覚え方について

  • 漢方名とキーワードを関連づける
  • カンゾウ、マオウ、ダイオウの有無をみる

丸暗記する勉強法をしているなら、漢方は難しいジャンルになります。

しかし、漢方の重要なキーワード、その漢方の特徴、名前の由来など、関連づけることで覚えやすくなり、問題も解けるようになります。

この記事で紹介した漢方の説明・キーワードは、登録販売者の試験勉強のためのものです。

基本的には勉強用のテキストに沿った内容ですが、実際の現場でも役に立つような知識も勉強していってくださいね。

生薬・漢方を調べたい場合は、下記の一覧表をご利用ください。

» 【すぐ見つかる】登録販売者のための生薬一覧表・索引リスト

» 【すぐ見つかる】登録販売者のための漢方一覧表・索引リスト

あなたの勉強の時短になれば、幸いです。

» 【登録販売者試験】第3章の成分の覚え方まとめ

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