【登録販売者試験】殺虫剤、忌避剤の覚え方・解説・語呂合わせ

殺虫剤の成分が、種類が多すぎて難しい。

可逆的と不可逆的の、ちがいがわからない。

そんな悩みを、解決します。

この記事を読むと

殺虫成分のそれぞれの違い、覚え方がわかります。

さらに、可逆的と不可逆的についての解説や

覚えやすくするための、語呂合わせも紹介しています。

実際に、私も登録販売者の勉強を工夫して

2018年度に合格しました。

ぜひ、活用してみてください。

殺虫剤・忌避剤の成分

殺虫成分

殺虫成分は、主に衛生害虫の駆除を目的とする成分です。

衛生害虫とは、人体に保険衛生上の害を及ぼす昆虫のことです。

ハエやダニ、ノミ、蚊など、病原菌や人の生活に支障をきたす昆虫を総称します。

殺虫成分は、おおきく分けて6種類あります。

  • 有機リン系
  • ピレスロイド系
  • カーバメイト系
  • オキサジアゾール系
  • 有機塩素系
  • 昆虫成長阻害系

殺虫補助成分

殺虫作用は弱く、殺虫補助成分の単体での効果は、ほとんどありません。

殺虫成分とあわせて配合されることで、殺虫効果を高めます。

  • ピペニルブトキシド(PBO)
  • チオシアノ酢酸イソボルニル(IBTA)

忌避成分

忌避成分(きひせいぶん)は、虫を寄り付かせないようにする効果があります。

殺虫成分とちがい虫を殺す作用ではありませんが、人体に使うことができます。

登録販売者試験では、1種類出てきます。

  • ディート

有名な製品だと、サラテクトスキンベープ

ディートが含まれています。

いずれも、6ヶ月未満の乳児に使用不可となっています。

殺虫成分で重要なポイント

殺虫剤・忌避剤の項目では、主に殺虫剤に含まれる殺虫成分がメインとなります。

その殺虫成分では、重要なポイントが2つあります。

  • どの成分がどのように作用するのか
  • 可逆的か不可逆的か

殺虫成分の作用を理解する

成分の種類が多い殺虫成分ですが、どう作用するかが問題に出てきます。

  • アセチルコリン分解酵素と可逆的に結合……カーバメイト系、オキサジアゾール系
  • アセチルコリン分解酵素と不可逆的に結合……有機リン系
  • 神経伝達を阻害……ピレスロイド系、有機塩素系
  • 昆虫の変態や脱皮阻害……昆虫成長阻害系

分解酵素との結合、神経伝達を阻害、昆虫の変態や脱皮を阻害、が殺虫成分の作用です。

どの系統がどの作用になるかを、覚える必要があります。

殺虫剤を効果的に発揮するための工夫

実際の殺虫剤では、殺虫成分を複数も組み合わせて配合されています。

たとえば、カーバメイト系殺虫成分の1種類だけだとします。

すると、アセチルコリン分解酵素が可逆的に結合する昆虫には効果がありますが、それ以外の昆虫には効き目がありません。

そのため、神経伝達を阻害するピレスロイド系殺虫成分と合わせてで、

より多くの昆虫に作用するように製品がつくられています。

このような殺虫成分を複合している製品は

アースレッドプロαなどが該当します。

  • シフェノトリン(ピレスロイド系)
  • メトキサジアゾン(オキサジアゾール系)
  • プロポクスル(カーバメイト系)

さまざまな殺虫成分を3種類配合することで、より効果的に害虫を駆除できます。

可逆的と不可逆的のちがいを理解する

アセチルコリンを分解する作用では、さらに可逆的か不可逆的かを問われることがあります。

可逆的・不可逆的のちがいは、殺虫成分では必須で、重要なポイントです。

どの成分がどちらにはたらくかが、問題で問われます。

丸暗記で内容を覚えてもいいのですが、

可逆的、不可逆的は

日常的なたとえで、覚えることができます。

可逆的と不可逆的の性質を理解できれば

殺虫成分の重要ポイントを、1つおさえることができます。

可逆的とは

  • 可逆的……別の状態に変化しても、元の状態に戻ることができる

つまり、自由に状態変化するということです。

ここでは、水と氷をイメージしてください。

水は、冷凍庫に入れて温度を下げることで氷になり、

常温なところに置くと、温度が上がって水に戻ります。

水から氷へ、氷から水へ自由に変化することができるので、

この変化の性質を可逆的、と説明することができます。

可逆的な殺虫成分は、カーバメイト系、

オキサジアゾール系が該当します。

不可逆とは

  • 不可逆……その状態に変化してしまったら、もう元の状態に戻らない

つまり一度変化したら、二度と元には戻らないということです。

不可逆的は、生卵からゆで卵になるイメージです。

ゆで卵になったら、何をしても生卵には戻ることができません。

これは卵のタンパク質が熱によって固まってしまうからです。

生卵がゆで卵に変化すると、一生そのままで戻らないので、

この変化の性質を不可逆的、と説明することができます。

不可逆的な殺虫成分は、有機リン系が該当します。

有機リン系殺虫成分

有機リン系殺虫成分の種類・作用

有機リン系殺虫成分は、7種類あります。

  • ジクロルボス
  • ダイアノジン
  • フェニトロチオン
  • フェンチオン
  • トリクロルホン
  • クロルピリホスメチル
  • プロペタンホス

害虫の体内にも、人間と同じように、

アセチルコリンという物質があります。

そして、アセチルコリンエステラーゼという、

アセチルコリンを分解する酵素も存在します。

この分解酵素と有機リン系の殺虫成分が、

不可逆的に結合することで酵素のはたらきを阻害します。

そうなると害虫は中毒症を起こすためしんでしまう結果となります。

ゆで卵のように一生元に戻らない状態の結合をするので、

そのまま滅することができるという結果です。

アセチルコリンエステラーゼについて

ちなみにアセチルコリンエステラーゼという名称は

「アセチルコリンをエステル化する酵素」と、解釈できます。

エステル化……分解するという意味、

エステラーゼ……語尾に〜〜アーゼとつくため、

消化成分のように、酵素の一種だということがわかります。

関連記事:胃薬の成分の覚え方(消化成分)

有機リン系殺虫成分の注意点

試験問題では、「有機リン系殺虫成分は可逆的である。」

と問われることがあります。

もちろん×間違いなので、引っかからないようにしてください。

また、注意事項に縮瞳(しゅくどう)と呼吸困難があげられます。

縮瞳とは、瞳孔が縮むことです。

この縮瞳というワードは全成分の中でも

有機リン系殺虫成分しか出てきません。

有機リン系殺虫成分を使用した製品

有機リン系殺虫成分の製品では、

ジクロルボスを主成分としたバポナ殺虫プレートがあります。

第一類医薬品なので、店頭になかなか置いてありませんが

ネット経由で買うことができます。

バポナ殺虫プレートは吊るしたり置けたりするタイプの殺虫剤で、

蚊やハエ、ゴキブリなどが対象です。

一晩置いておくと、次の日には

他の製品と比べ物にならないほど、

プレートの周りにコバエが落ちています。

有機リン系殺虫成分の語呂合わせ

有機リン系殺虫成分の、覚えやすい語呂合わせを用意しました。

【不可逆トリック大事なフェチのプロ、リンちゃん】

  • 不可逆……不可逆的にはたらく
  • トリ……トリクロルホン
  • ク……クロルピリホスメチル
  • だい……ダイアノジン
  • じ……ジクロルボス
  • フェチ……フェニトロチオン、フェンチオン
  • プロ……プロペタンホス
  • リン……有機リン系

有機リン系の語呂合わせですが、

ぷろぺったんにすると、プロペタンホスが覚えやすいかもしれません。

【不可逆トリック大事なフェチのプロぺったん、リンちゃん】

「プロ」だけのワードだと、プロポクスル(カーバメイト系殺虫成分)と混同する場合があります。

それならプロぺったんの方が良いかもしれません。

【不可逆トリック、大事なフェチのプロぺったん、リンちゃん】

なにがぺったんこなのかはさておき、あなたが理解しやすいほうを使ってください。

みんな苦手な殺虫成分、かわいいイメージで覚えてしまいましょう。

カーバメイト系・オキサジアゾール系殺虫成分

カーバメイト系・オキサジアゾール系殺虫成分の種類・作用

カーバメイト系・オキサジアゾール系は、

どちらも系統はちがいますが、作用が同じなので

一緒にまとめられることが多いです。

  • カーバメイト系……プロポスクル
  • オキサジアゾール系……メトキサジアゾン

有機リン系と同じく、アセチルコリンを分解する酵素と結合して、はたらきを阻害することで殺虫作用があります。

カーバメイト系・オキサジアゾール系は、可逆的にはたらきます。

不可逆的ではないため、有機リン系より毒性が低くなります。

つまり、カーバメイト系・オキサジアゾール系のほうが効果が弱いということです。

ただ、多量に使用したり濃度が濃いと、呼吸困難が出ることがあります。

カーバメイト系・オキサジアゾール系殺菌成分の語呂合わせ

カーバメイト系、オキサジアゾール系の語呂合わせも、作成しました。

【可逆のプロめ、リンより弱いのか…ゴホッ…】

  • 可逆……可逆的にはたらく
  • プロ……プロポクスル
  • め……メトキサジアゾン
  • リンより弱い……有機リンより毒性低い
  • ゴホッ……呼吸困難

最後にゴホッとすることで、呼吸困難をイメージしています。

「リンより弱いのか…ゴホッ…」と続くと、もはやセリフですね。

このセリフを、あなたの覚えやすい様に変えても良いです。

  • リンより弱いなんて
  • リンが弱すぎる
  • リンより低くて呼吸止まる
  • ゲホゲホ
  • ゴホゴホ

ピレスロイド系殺虫成分

ピレスロイド系殺虫成分の種類・作用

ピレスロイド系は3種類あります。

  • ペルメトリン
  • フェノトリン
  • フタルスリン

※実際はたくさん種類がありますが、登録販売者試験ではこの3種類が出題されます。

神経細胞に直接作用して、神経伝達を阻害することで殺虫効果があります。

除虫菊(ぼうちゅうきく)に含まれる殺虫成分がピレスロイドです。

その除虫菊から開発され、家庭用殺虫剤として広く利用されています。

ちなみに防虫菊とは、ピレスロイドを含む白い菊の花で、殺虫剤の原料になっています。

ピレスロイド系殺虫成分は、比較的すみやかに自然分解して残効性が低いという性質があります。

これは他の殺虫成分と比べて、使用後はすぐ分解されて、その場所に成分が残らないということです。

またピレスロイド系殺虫成分は、即効性があるので微量でも効果があります。

すぐ分解されて早く効くため、比較的安全な殺虫剤として活用されています。

ただ、大量にスプレーや煙を吸いすぎてしまうと危険です。

身体に異常があらわれたら、医療機関を受診する必要があります。

ピレスロイド系殺虫成分の製品

家庭用殺虫剤が多いピレスロイド系殺虫成分ですが

とても身近なものでは、蚊取り線香があります。

そもそも除虫菊が原料となっています。

害虫駆除スプレーで有名なアースジェットは、

フェノトリンとフタルスリンの2種類が殺虫成分として配合されています。

どちらも防除用医薬部外品なので、

ホームセンターなどでも販売されています。

人の頭皮にいるシラミ駆除をするための

スミスリンというシャンプーがあります。

有効成分のフェノトリンは、シラミの駆除として使用されていて

殺虫成分のなかで唯一、人体に直接使用できます。

スミスリンは第二類医薬品なので、

ドラッグストアでも販売されています。

有機塩素系殺虫成分

有機塩素系殺虫成分の種類・作用

登録販売者試験では、1種類のみ出題されます。

  • オルトジクロロベンゼン

ピレスロイド系殺虫成分と同じく、

神経細胞に直接作用して、神経伝達を阻害することで殺虫効果があります。

有機塩素系殺虫成分の製品

過去に、有機塩素系殺虫成分の農薬が存在していましたが、大量に使用した結果、

人体に殺虫成分が蓄積され、母乳に移行するなどの被害が報告されました。

そのため現在では、ウジ・ボウフラ駆除のみで使用されています。

バポナのうじ殺しアースなどがあります。

ちなみに、ドラッグストアの防虫コーナーで

異様な臭いを発している場合がありますが、このバポナのうじ駆除剤の臭いだったりします。

昆虫成長阻害成分

昆虫成長阻害成分の作用

昆虫成長阻害成分は、名称のとおり、

昆虫の変態や脱皮を阻害する成分です。

変態とは、生息する場所を変えるときに、姿や形を変える成長段階の変化のことです。

たとえば、カブトムシの幼虫は土の中にいますが、成長すると蛹(さなぎ)になり、脱皮して成虫になると木の幹に生息場所を変えます。

このような変化のことを専門用語で「変態」といいます。

昆虫成長阻害成分の種類

昆虫成長阻害成分は、それぞれ変態するとき、脱皮するときのどちらに作用するか、成分によって異なります。

  • 変態の阻害……メトプレン、ピリプロキシフェン
  • 脱皮の阻害……ジフルベンズロン

変態阻害成分は、幼虫→蛹になるのを防ぎます。

つまり、蛹にならない昆虫(不完全変態)の昆虫には効果がありません。

不完全変態は、いわゆる幼虫と成虫の姿が変わらないということです。

たとえばバッタやコオロギ、ダニやノミなどが該当します。

脱皮阻害成分は、幼虫が正常に脱皮するのを防ぎます。

蚊やハエなどの幼虫の成長を阻止することはできますが、成虫になってしまうと脱皮をしないので、効果がなくなります。

他の殺虫成分とは異なる作用で害虫駆除ができるため、

有機リン系やピレスロイド系の殺虫成分が効かない場合に、昆虫成長阻害成分は効果があります。

まとめ

  • 殺虫成分の作用はコリン、神経、成長の3種類
  • 可逆的は水、不可逆的は卵でイメージ

成分の種類が多く、殺虫作用もそれぞれ違いますが

関連する部分があると、一気に理解しやすくなります。

ドラッグストアでは、殺虫剤・忌避剤が多種多様に置いてあります。

この機会に、成分を見比べてみるのもいいですね。

ちなみにトップ画像は、殺虫剤から逃げてきた蜂です。

(ハチは衛生害虫には該当しませんが、

ダニや蚊がトップ画像だと、精神衛生上よくないため)

関連記事:第3章の解説リンク

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